宜野湾の喜友名(きゆな)集落で石獅子群巡り

宜野湾の喜友名(きゆな)集落で石獅子群巡り

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歴史文化

初回投稿日:2015.02.18
 最終更新日:2024.05.24

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宜野湾の喜友名(きゆな)集落で石獅子群巡り クリップする

しまんちゅ旅はじめました

前回から引き続き、喜友名(きゆな)石獅子群巡り。
石獅子作家であるスタジオde-jinの若山大地さんと奥様で石獅子を独自に研究されている恵里さんの案内のもと巡ってきました。
石獅子の多くは、村の安全を祈り魔除けとして作られたもので、一説ではシーサーのルーツとも云われています。
戦争や開発などで消失してしまったり、元々資料が少ないこともあって未だ解明されていないことも多い石獅子。
そのミステリーな感じが私にはたまらないんですよね!ここ宜野湾市喜友名は、そんな石獅子が集落に点在している、県内でも珍しい地域なんですよ。


メーマシチ前の石獅子


目がくりっとしたこの石獅子は、メーマシチ前の石獅子。恵里さんが、「かえるっぽくない?」と一言。確かに、かえるっぽく見える!つい、可愛い♡と心でぼそっと。
石獅子に付いている名前は、近くの家の屋号や、土地の方角などがなまったりものだったりと色々とあるそう。「移動を繰り返すたびに名前も変わっていて、集落の人でも呼び方が違っていたと思いますよ」と恵里さん。平成元年に、有形民族文化財として登録されたのを期に、現在の名前で親しまれるようになりました。

メーマシチ前の石獅子は、近隣にあった神山集落への反しとして、安置されたものです。反しとして安置されていることは確かだそうですが、何に対した反しなのかは、今なお分かっていません。もともとあった場所が工事のため移動が必要になってしまい、今では新しい場所に安置されています。近くに住んでいた方が、自宅を建てる際に、石獅子のためにと専用の庭を自宅横に作ったのだそう。この地域の人々がどれほど石獅子を大切にされているのが、本当に分かりますよね。

メントー前の石獅子

電信柱の裏に安置されているのは、メントー前の石獅子。細長い顔立ちで、眉毛と鼻がくっきりとあるのが分かります。また、胴体部からは草木が芽を出していて、眺めているとなんだかホッと和んでしまいました。石獅子の多くは周辺に住んでいるおばあさんやおじいさんが、由来や経緯などを覚えている場合がほとんどですが、なんとメントー前の石獅子は、昔のことを今や知る人がおらず、由来や経緯などがまったく不明!


ヒージャーグーフー

ここでちょっと番外編。
喜友名石獅子群の石獅子には入っていない、喜友名集落にある石像、ヒージャーグーフーをご紹介します。くりっとした目がなんとも可愛い石像は、胴体がなんともユニーク。「諸説あるんだけど、これは“シーサーグーフー”と呼ばれていたものが、なまって“ヒージャーグーフー”になったんじゃないかという説に、実際にヒージャー(ヤギ)を繋いでいたんじゃないか説とか、云われがあるだけに想像が膨らみますね」と大地さん。この石像は何をモデルに、作られたんでしょう‥。考えているだけで、楽しくなってきてしまいますね!


トゥクイリグヮー前の石獅子

 

石獅子巡りも終盤、最後に訪れたのはここ。どどーんとした出で立ちで、通りの人々を見守るのが、喜友名石獅子群のなかで1番大きな石獅子、トゥクイリグヮー前の石獅子です。交通量が裏道のなかでも多く、子供たちの通学路でもある道路に面して安置されています。


トゥクイリグヮー前の石獅子

 

顔立ちは歯がくっきりと彫られていて、ちょっとキュートな感じ。その優しさを感じる眼差しに、こらからも変わらず集落の人たちを守っていくんだろうな、と気持ちを馳せる松村でした。私は撮影もしていたので、1時間ほどかかりましたが、喜友名石獅子群巡りは徒歩30~40分ほどで回ることができます。観光で訪れていたらなかなか踏み込むことのない、住宅街にあるので、集落の人々の暮らしとそこへ根づいている石獅子文化を楽しめます。

今回は、違うルートからぐるりと巡りましたが、大地さんと恵里さんのおすすめのルートはこちら。(今回ご紹介していない石獅子も含む)クラニーグヮー前の石獅子→イリーグヮー前の石獅子→トゥクイリグヮー前の石獅子→メートーヤマ前の石獅子→ナカムトゥー前の石獅子→ヒージャーグーフー→メントー前の石獅子→メーマシチ前の石獅子の順。集落の裏側の方から東から北に、そして西に巡って行く順です。喜友名自治会へ行くと、地図付きのリーフレットももらえますよ。

戦前から残る石獅子文化を大切にしている集落の人々の想いと、集落の人々の生活をそっと見守り続けている石獅子の存在に、なんだかとっても感動してしまいました。そして、私より長生きの石獅子は、集落と人々の暮らしの変化をどう見守ってきたのでしょう。もし石と話せる人がいたら、その時はぜひ協力して頂いて、石獅子さんを取材してみたいものです。


協力/スタジオde-jin

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沖縄CLIP編集部

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