北谷町の砂辺から発車!スクールバスを改造した古本屋さん《ブックパーラー砂辺書架》

北谷町の砂辺から発車!スクールバスを改造した古本屋さん《ブックパーラー砂辺書架》

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歴史文化

放送日:2024.07.22 ~2024.07.26

初回投稿日:2024.07.30
 最終更新日:2024.08.07

最終更新日:2024.08.07

北谷町の砂辺から発車!スクールバスを改造した古本屋さん《ブックパーラー砂辺書架》 クリップする

2022年、沖縄県の北谷町砂辺の住宅街に誕生した「ブックパーラー砂辺書架(しなびぬしょか)」は、1989年型のアメリカのスクールバスを改造した古本屋さんです。

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書架

バスであったころの内装を生かし、新たに加えた書架などには、子どもが間違って舐めてしまっても安全な素材を使用しています。まったくの素人ながら沙幸さんが手書きの設計図を描き、仲間たちの力を借りて大改造。魅せる分電盤など、細部にまで沙幸さんのこだわりに溢れています

本が教えてくれること

ブックパーラー砂辺書架を営むのは、砂辺出身の畠中沙幸さん。東京で教育関係や観光の仕事に携わり、自身の出産をきっかけに、いつかは地元の砂辺で、子どもたちと地域がつながるような、寺子屋みたいな場所を作りたいと思うようになりました。

子どものころから本が大好きだった沙幸さんは、偶然にも同時期に現在の土地とスクールバスと出合い、移動式の古本屋を思いつきます。

「昔から北谷には書店が少なかったことも決め手になりました。“本屋がないのは地域に求められていないからだ”とか、“古本屋さんは儲からないからやめなさい”とアドバイスしてくれる人もいましたが、私はやってみないと気が済まないたちなので(笑)」

現在は、絵本や洋書を中心とした品揃えですが、古本屋をオープンすると決めてから、何もわからないままにいろいろな本を仕入れていた沙幸さんは、自費出版本の多さに驚いたそうです。

「戦争体験を語りたがらない人にとって、自費出版は本当は語りたい、残したい“声”なのかもしれないと改めて考えさせられました。沖縄の暮らしや文化、民芸にも興味がありますし、もっと沖縄を掘り下げていきたい気持ちはあるのですが、まだまだ勉強中なので、今はお客さんから沖縄について教わる毎日。本当に楽しいです」

沙幸さん
本屋さんというよりは、”みつかるよろこび“をシェアできるような場所になればいいなと思っています」

息子さんとの楽しい時間
息子さんとの楽しい時間

子どもたちの 「みつかるよころび」

第4回目のこども古本市
第4回目のこども古本市。今回も大いに賑わいました

ブックパーラー砂辺書架では不定期でこども古本市を開催しています。子どもたちは自宅から自分の本を持ち寄って、自分たちでブースを整え、本を販売します。もちろん売り上げの中からきちんと出店料も支払います。

店主になりきって、臆することなく呼び込みをする子、売れ行きを見て、タイムセールを始める子やセット販売を始める子、おまけ作戦など、子どもたちのアイデアには毎回驚かされるという沙幸さんは、古本市を通して、子どもたちが商売とは何かを考えるきっかけになればと話します。

古本の奥深さを学ぶ場所

月に一~二度、全沖縄古書籍商組合主催の古本セリ市があり、中でも年に二度開催される最大規模のセリ市にお邪魔しました。

「先輩たちは本当に優しくて、古本屋を生業にするためのノウハウを惜しみなく教えてくださいます。皆さんお互いにライバルなのに、情報や本を交換し合いながら支え合っている。お店が変わればお客さんも変わるので、セリ市は本を循環させて、古本を生き返らせる場所なんです。

セリ市には沖縄のあらゆるジャンルの本が集まります。絶版になった本や、新しく出版することは不可能な本もたくさん。これらを残していくことは、沖縄の文化や伝統を繋いでいくことになるんだなと、一期一会のセリの現場でいつも感動させてもらっています」

各古書店が出品する古本
各古書店が出品する古本には、販売希望最低価格が記載されるので、競り落としたい出品に対して、各自最低価格以上と、支払える上限を書いて封筒に入れ、最後に全員で入札用紙を確認し、一番高値をつけた人がその本をセリ落とすことができます

本日の収穫には大満足
この瞬間、残念ながらお目当ての古本はゲットできなかった沙幸さんですが、本日の収穫には大満足

砂辺の住宅街を照らす 夜行バス

AMADA COFFEE
店内ではセルフサービスのドリンクを提供しています。コーヒーは、県内の人気店、「YAMADA COFFEE」がブレンドしたブックパーラー砂辺書架オリジナル

ブックパーラー砂辺書架のスクールバスは、毎日、昼の営業を終えた後も4時間は明かりを灯し続け、周囲を明るく照らします。

日中の営業時間に間に合わないお客さんたちのリクエストで始まった、週に1日の夜営業を担当するのは夫の悠輔さん。

「夜のバスでは非日常を感じてもらえると思います。本を買いに来るというよりも、その空間で本を読む時間を楽しんでほしい」

夜行バス
さまざまな物語をのせた夜行バスが、幻想的な世界へと誘います

ブックパーラー砂辺書架

住所 /
沖縄県北谷町砂辺44
instagram /
https://www.instagram.com/bookparlor.shinabi/

沖縄CLIP編集部

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放送日:2024.07.22 ~ 2024.07.26

  • 放送日:2024.07.22

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