首里金城町の大アカギ、鬼をめぐる不思議な旅

首里金城町の大アカギ、鬼をめぐる不思議な旅

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歴史文化

初回投稿日:2015.02.07
 最終更新日:2024.09.02

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ある年の暮れに、「沖縄、琉球の真実を知りたい!」という強い想いが心の底から湧き出しました。

でも、本当のことを知って一体どうするのか? と自問自答したときに、「それが大切な情報なら、独り占めにするのではなく多くの人と共有したい。自分だけの宝ではなく、みんなの宝になるように」。

その想いが通じたのか、年明けの正月早々から驚く様な展開が続いていきました。沖縄の聖地で、神人(かみんちゅ=祭祀を司る役目のかた)さんと遭遇し、唱えていた『てぃんさぐぬ花』には深い意味があることを知り、親や先祖を尊ぶことが天までつながる大切な事と教えてもらうことに。


『赤椀の世直し』(名護博著)という本

帰り際に「今日出会う5名の人に、この本を渡すことになっています」と、本が5冊供えられていました。それは、『赤椀の世直し』(名護博著)という本で、そのうちの1冊を持ち帰ることに。


月

数日後、頭の中に「鬼、鬼、鬼」というキーワードが降りてきました。「鬼」といえば、「聖なるものとは真逆」「怖いもの」のイメージしかありませんし、なぜ、沖縄で「鬼」という言葉が響いてくるのか、そのときはまったく理解できませんでした。

ふと、あの本(『赤椀の世直し』)を思い出し、ページをめくってみると、そこには、鬼にまつわる沖縄の鬼餅(ムーチー)の由来について詳細が記されていました。どうやら首里金城町に鬼餅伝説の由来の場所があるとのこと。きっとそこにヒントがあるはず…。


大アカギ

旧暦12月8日の“鬼餅(ムーチー)の日”に、ゆかりの地を訪ねてみることにしました。首里金城町の石畳の古道を下っていく途中にある筋道を入ると、樹齢300年以上の大アカギがあり、そのすぐ近くに、鬼餅伝説の洞窟と拝所があるのです。


拝所

大アカギの前に辿り着くと、タイミングよく自治会長さんと巡り合い、首里金城町の鬼の伝説を伺うことができました。

首里に出没する人喰い鬼の兄を、妹が鬼餅で退治したという伝説ですが、340年以上前に、村人たちがこの周辺にただならぬ霊気を感じ、王府に願い出て、拝所を設置してもらったらしいのですが、年に一度、古い巨木に降臨してくるといわれている日が、旧暦12月8日なのだそうです。

それで、この日に鬼餅を食べる風習が広まったのでしょうか。伝説なのに、鬼餅行事はれっきとした王府の第82番目の公式行事だったそうです。

鬼餅

「鬼」のキーワードの謎解きは、これで終わりかと思いきや、その後、琉球のはじまり頃まで歴史を遡ることになっていくのです。鬼をめぐる不思議な旅は、まだまだ続くのでした…。

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首里金城町の大アカギ

住所 /
沖縄県那覇市首里金城町3丁目

桑村 ヒロシ(KUWA)

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