神の島、久高島へショートトリップ。

神の島、久高島へショートトリップ。

Reading Material

歴史文化

初回投稿日:2015.12.05
 最終更新日:2024.03.27

最終更新日:2024.03.27

神の島、久高島へショートトリップ。 クリップする

しまんちゅ旅はじめました

「離島」というと、石垣島を玄関口とする八重山(やえやま)諸島や、宮古島を思い浮かべる人も多いと思いますが、沖縄本島周辺にも離島はたくさんあります。「海中道路」という名の橋で渡ることのできる伊計島や宮城島、浜比嘉島。北部にある僕と同じ名前の瀬底島にも橋で渡ることができます。本部(もとぶ)半島から「タッチュー」(城山)を見ることができる伊江島も人気ですね。南部なら那覇市前島にある泊ふ頭ターミナルから慶良間(けらま)諸島の渡嘉敷(とかしき)島や座間味(ざまみ)島・阿嘉(あか)島、久米(くめ)島などに行くことができます。
 
そして今回、僕が訪ねた久高島は、南城市の安座真(あざま)港から行くことができます。沖合5kmほどの場所にある久高島へは、高速船ならたったの15分程度という近さ。料金は往復で1,460円です。
 
南城市の安座真(あざま)港
 
沖縄に移住して3年半余りが過ぎようとしてるのですが、久高島を訪ねるのは今回が初めて。到着するとそこにはのどかな風景が広がっていました。船を降りてすぐの場所にある御嶽(うたき)にまずはご挨拶。島はレンタサイクルで巡ります。
 
久高島の船着き場
 
レンタサイクル
 
久高島といえば、琉球開闢の神「アマミキヨ」が天からこの島に降り立ち、国づくりを始めたと言われる琉球の中でも特に重要な聖地のひとつ。島のあちこちに御嶽、拝み所(うがんじょ)などの聖地が点在していいます。
 
「イシキ浜」
 
最初に訪ねたのは「イシキ浜」。その昔、五穀が入った壺が流れ着き、久高島から本島へと穀物が広まったとされる場所です。海岸の岩の上から海に向かって祈りを捧げます。この日、実は「かみんちゅ(神人)」が久高島を訪ねるというので同行させてもらっていたのですが、祈りながら背中に手を当ててもらうと、海の向こうにふわっと光が降り注ぐのが見えたような気がしました。
 
大きなガジュマル
 
砂利道を北東に進んでいくとやがて一本道になり、大きなガジュマルの下を通り抜け、たどり着くのがカベール岬です。ここがまさにアマミキヨが初めて降り立ったと言われる場所。それはそれは美しい海のきらめきが待っていました。この岬のもう少し奥に行くと、人がひとり通り抜けられるぐらいの穴が空いた岩があって、そこも大事な場所のひとつなのですが、詳しいことは、また別の機会に。
 
人がひとり通り抜けられるぐらいの穴が空いた岩
 
未舗装の道を自転車で移動していきます。11時半頃の高速船に乗って、15時頃の同じ船で帰ってくるスケジュールでしたが、主要なスポットはだいたい巡れてしまうような大きさです。夏場は炎天下になるのでかなり体力を消耗しますが、日差しが強くない季節なら、気持ち良く島を巡れると思います。
 
未舗装の道
 
ヤクルガーという昔使われていた井戸に降りていく階段
 
こちらはヤクルガーという昔使われていた井戸に降りていく階段です。もちろんここもとても神聖な場所。そして最後に訪ねたのがフボー御嶽。沖縄の七御嶽のひとつと言われ、県内でも最も重要な聖地のひとつです。もともと男子禁制でしたが、現在では男女ともに一般の人は入ることができません。入り口から中を覗くことしかできませんでしたが、それでも御嶽らしい(という表現がいいのかわからないけど)、厳かな空気を感じることができました。
 
フボー御嶽
 
今回、観光ガイドにはもちろん載っていないような、名もなき聖地も幾つか訪ねました。うまく言葉にできないような不思議な体験もしました。僕がそんな「こと」と出会ったのもきっと何かの縁。これをきっかけに、あたらしい出会いや動きが生まれそうな、、、 そんなことを感じた、久高島へのショートトリップなのでした。
 

セソコマサユキ

同じカテゴリーの記事

しまんちゅ旅はじめました