宮古島の自然素材を使って石鹸づくり体験! 笑顔と元気が満ちる「GlycerinQueen」

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あそぶ

初回投稿日:2023.11.19
 最終更新日:2024.05.17

宮古島の自然素材を使って石鹸づくり体験! 笑顔と元気が満ちる「GlycerinQueen」

“ノニ”の存在をきっかけに石鹸づくりに挑戦

南国の過酷な環境で自然の栄養を取り込みながら、たくましく育つ沖縄の植物。食べたり飲んだり、お肌をケアしたり、島の植物には、さまざまなシーンで人を元気にしてくれる栄養がたっぷり。そんな沖縄の自然素材を使って石鹸を手作りできるお店が宮古島にあります。
 
宮古空港から車で約15分、飲食店で賑わう繁華街からほど近い一角に、ひときわ目を引くグリーンの扉たち。そのエネルギッシュな色彩に導かれ、ドアを開けると、うーん、なんとも鼻をくすぐる石鹸のいい香り。ここが、宮古島の石鹸づくり体験ショップ、その名も「GlycerinQueen」(グリセリンクイーン)です。

GlycerinQueenの店頭 
店名は、石鹸づくりの過程で生成される保湿成分「グリセリン」から。さらに、米国出身の女性ベーシスト、スージー・クアトロの楽曲「Glycerin Queen」も由来のひとつとなっているのだそう。女性ロック・ミュージシャンの草分け的存在と称され、73歳(2023年現在)にして今なお現役で活躍するスージー・クアトロ。そんな彼女の映像を観て「めちゃくちゃかっこいいロッケンローラーだと思った!」と興奮気味に語るのは、店主のはらまきこさん。弾ける笑顔と、愉快なゆんたく(おしゃべり)で、訪れる人を元気にしてくれる素敵な女性です。取材の始まりは、景気づけに「Glycerin Queen」を聞きながら。まずは、石鹸づくりを始めた頃の話を語って頂きました。
 
GlycerinQueenの店内
 
「ある日突然、近所のおじいさんから『あんた、石鹸作りなさい』ってお告げのように言われたんです。 “ノニ”という植物を栽培している農家の人で、前から仲良くしている人だったんだけど、このおじいさんはいったい何を言ってるんだろうと(笑)。だから、すぐ『私は石鹸なんて作れません』って答えました。そしたら、おじいさんは『人は、できないことをするために生まれてきたんだよ』と。その言葉になぜかガツーンときちゃって。嘘みたいな話だけど、それが石鹸づくりを始めたきっかけです」

宮古島の自然の素晴らしさを伝えたい

東京都出身のまきこさんは、宮古島へ移住してもうすぐ20年。高校時代、学校に馴染めず、「なんで自分が生きているのかわからなかった」時期に、ダイビングをするという両親に連れられて初めて宮古島へ。海もダイビングもまったく興味がなかったはずが、池間大橋を渡った瞬間、その考えは一転。「見たことのない海のきれいさに大絶叫して、『ごめんなさい! 私もう東京には帰れません! ここに住みます!』って。もちろん一度東京に帰って荷物をまとめてからだけど、それからずっと宮古島に住んでます。嘘みたいだけど、これも本当の話(笑)」
 
GlycerinQueenの店主はらまきこさん
 
その後、ダイビングのライセンスを取得し、インストラクターの技術を学ぶことに。島を訪れる人に海の素晴らしさを伝えたい、一緒に海で楽しんで共感したい。そんな思いで、家族とマリンショップを立ち上げ、海の仕事を続けてきました。
 
「宮古島の海の美しさをたくさんの人に案内できるのが嬉しくて。でもその一方で、人が海に入ることで汚れていく現状も目の当たりにするようになって、だんだん自分のやっていることに自信が持てなくなりました。そんなときだったんです、ノニおじいさんに『石鹸を作りなさい』って言われたのが。だから、これからは違うアプローチで、宮古島の自然の素晴らしさを伝えて、みんなと楽しく共感できることをやってみようかなと。それで石鹸づくりに挑戦してみました」

GlycerinQueenの石鹸 

人にも海にもやさしい幸せな石鹸

実は、ノニおじいさんが本当に言いたかったのは、ただ石鹸を作れということではなく、「わたしが育てたノニで石鹸を作ってみなさい」ということ。 “奇跡の果実”とも呼ばれるノニは、ビタミン、ミネラルを豊富に含み、抗酸化作用もあることから、健康と美容、両面から注目されているスーパーフルーツ。まきこさんは、そんなノニの果汁をはじめ、タマヌオイル、はちみつ、月桃など、島の自然素材を取り入れ、石鹸づくりを始めました。海の仕事から感じたことを実践するため、目指したのは、人にも海にも優しい石鹸。
 
GlycerinQueenの石鹸
 
「合成界面活性剤を入れずに、植物性の油だけを使う石鹸なので、海に排水されても、24時間で微生物が分解してくれます。それから、熱を加えず、1カ月くらいかけてゆっくり熟成させるコールドプロセス製法。この作り方だと、油脂が劣化しにくく、石鹸の中に保湿成分やお肌の栄養となるオイルを残すことができます。初めて自分で作った石鹸で、体を洗ったときの感動は今でも覚えていますね。むちゃくちゃきれいに泡立つし、肌触りがものすごく気持ちいい。洗い心地はしっとりしているし、天然のエッセンシャルオイルのいい香りに包まれるし、我ながら『こんなに素晴らしい石鹸があるんだ、幸せ~!』って叫びました(笑)」
 
GlycerinQueenの石鹸
 

選んで作って楽しい体験教室

そんな幸せの記憶を原動力に、勉強と研究を重ね、後に「Noni Soap」や「ARIGATOU石鹸」などを完成。また、たくさんの人と石鹸を作る喜び、使う喜びを共感し合いたいと、世界にたったひとつ、自分好みのオリジナル石鹸が作れる体験教室をスタートしました。
 
石鹸の材料
 
石鹸が完成するまでの所要時間は、体験者の作業スピードによりますが、約1~2時間。まずは、生地のベースとなるオイル、色付けをする素材、香りとなるエッセンシャルオイルを選ぶことから始めます。香りは、アロマコーディネーターの資格を持つまきさんのアドバイスで、お好きな香りを5種までブレンド可能。色付けをする素材は、藍泥などの沖縄の泥やノニの根、麻墨など、さまざまな色彩の素材から3種を選べます。
 
石鹸作りで使うエッセンシャルオイル
 
「これには消臭効果があって、こっちにはお肌を癒してくれる効果がある。この素材は、きれいな色のアクセントをつけるのに素敵。これは見た目が黄色だけど、仕上がりはうすいピンクに変わるんですよ」
 
石鹸作りの材料
 
そんなふうに、各素材の特徴や魅力を伝えてくれるまきこ先生の説明を聞きながら、完成形を想像して選んでいく。この時間がとっても楽しい! そして、作る過程では、加えたり混ぜたり、まるで理科の実験のようにワクワクドキドキ。

石鹸作り 
聞けば、原材料に欠かせない月桃蒸留水は、まきこさんが畑で自ら育てた月桃を使って手作りしたものだとか。魔法のランプのような銅の蒸留器に刻んだ月桃の葉を入れ、じっくり蒸してから冷却し、ていねいに抽出するのだそうです。また、この月桃蒸留水がいい香り。
 
手作りの月桃蒸留水
 
型に流し込んでいく仕上げの作業は、ちょっぴり緊張する場面。少しずつ違う色を流し込んで細かな模様を作ってみるもよし、一気に全部の色を流し込んで自然にできる模様を楽しむのもよし。「いろいろな人が、いろいろな模様を描いていて本当におもしろい。石鹸にそれぞれの個性が現れるようで、見ているだけでも楽しいです」と、まきこさん。
 
型に流し込んでいく仕上げの作業

型に流し込んでいく仕上げの作業

型に流し込んでいく仕上げの作業
 

石鹸で“ありがとう”がつながる場所

石鹸は約1カ月かけて熟成、乾燥させる

約1カ月かけて熟成、乾燥させ、完成した石鹸は、郵送でお届け。小さく8等分に切ってパッケージしてくれるので、一緒に作った人と交換し合ったり、ちょっとしたプレゼントに活躍してくれるのも嬉しいところ。切った断面によって違う色合い、模様が現れる楽しさは、手作り石鹸ならではの醍醐味といえそうです。なにより、荷物の封を開けたときのいい香り。宮古島のあの場所でみんなで笑って、楽しいひとときを共有した思い出ごと蘇るようで、笑顔がこぼれます。
 
完成した石鹸
 
届いた石鹸のパッケージに書いてあるのは、「ARIGATOU」という言葉。そういえば、まきこさんが石鹸づくりを始めてから、改良を重ねて作り続けている看板商品の名前も「ARIGATOU石鹸」でした。パッケージのデザインは、「宮古島には、尊敬する才能豊かなアーティストがたくさんいるから、どんどんコラボしたい」と、イラストレーターのとよながあやこさんに依頼。石鹸の原材料に使っている植物と、十匹の蟻をお願いして描いてもらったそうです。
 
石鹸のパッケージに書いてあるのは、「ARIGATOU」
 
「蟻が十匹で、ありがとう(笑)。すごく素敵な絵を描いてくれて、愛のこもった石鹸に仕上げられて、本当に嬉しい。私は、『ありがとう』って、魔法の言葉だと思っているんです。口に出したり、言葉やイラストで届けたり、とにかくどんな形でもいいから、たくさん『ありがとう』を伝えて、つながっていきたい。そして、私の石鹸を使ってくれる人、石鹸を一緒に作った人、皆さんにHAPPYっぽいことが起こってほしい。いや、起こります! そう願って、日々宮古島で石鹸体験教室をやっています。まずは気軽に、ふらっと遊びに来てほしいです」
 
宮古島産みつろうを使った「ARIGATOU」
宮古島産みつろうを使った「ARIGATOU」シリーズ
 
人と地球にやさしい石鹸。楽しくて元気が満ちる石鹸。宮古島の旅にまたひとつ、笑顔と「ありがとう」をプラスしてくれる場所、「GlycerinQueen」を是非訪れてみてください。
 
「ARIGATOU」のプレートを持つまきこさん

※2024年2月に移転しました。記事の内容は、取材当時のものです。

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GlycerinQueen※2024年2月に下記へ移転しました。

住所 /
沖縄県宮古島市平良荷川取325-11 AP478 1F
TEL /
098-075-2880 
営業時間 /
10:00〜12:00、13:00〜17:00 ※予約制
定休日 /
日曜
Webサイト /
https://www.instagram.com/glycerinqueen_miyako/
料金 /
石鹸づくり体験料金/5,000円(+完成品送料500円)
※事前予約可能。当日の予約や、来店時に不在の際はお電話をお願い致します。
駐車場 /
あり

岡部 徳枝

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