築65年の古民家カフェ「koti」で琉球菓子とお茶を【八重瀬町】
築65年の古民家カフェ「koti」で琉球菓子とお茶を【八重瀬町】
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初回投稿日:2024.11.30
最終更新日:2024.11.27
最終更新日:2024.11.27
築65年の古民家をリノベーション
築65年ほどの古民家をリノベーションした店内で、沖縄の伝統菓子とお茶を楽しむことができる「koti(こち)」。風情にあふれてレトロモダンな雰囲気が漂い、ここだけ時間がゆっくりと流れているような不思議な感覚に包まれます。
2024年8月1日に、沖縄本島南部に位置する八重瀬町(やえせちょう)でオープンした琉球菓子とお茶のお店、koti。沖縄の文化的価値を創造・発信し、琉球・沖縄で生まれ育った工芸や食など、島の良いモノを提案するソーシャルデザインカンパニー「ゆいまーる沖縄」の新店舗としてスタートしました。
kotiという店名は、土地名の東風平(こちんだ)と、春の訪れを知らせる風「東風(こち)」から。「お店を通して、沖縄の暮らしの文化を伝えていきたい」とスタッフは話します。
琉球料理伝承人プロデュースの琉球菓子
店内でいただけるのは、鶏卵をたっぷり使った蒸し菓子「チールンコウ」や藤の花を模した焼き菓子「花ぼうる」、献上菓子としての記録も残り、子どもたちの健やか成長を願ってユッカヌヒー(旧暦5月4日)には神仏に添える「チンビン」、小麦粉で作った生地を薄く焼き、中に手作りのアンダンスー(油味噌)をのせてくるくる巻いた「ポーポー」などの王朝菓子と、黒糖を使った蒸し菓子「アガラサー」や、ふっくらと煮た金時豆に白玉とかき氷を合わせた「ぜんざい」などの郷土菓子。
琉球料理伝承人の津嘉山 恵子(つかやま けいこ)さんによるプロデュースで、どのお菓子も伝統的製法にこだわります。
例えば「チンスコウ」は、最近では植物性のショートニングで代用するところも多いのですが、津嘉山さん監修のものはラードを使用します。フレーバーはプレーンの他に、沖縄県産の緑茶、紅茶、紅芋パウダー、シークヮーサー果汁をパウダーにしたものを生地に練り込んだ5種類。サクサクッとした軽い食感とラードのコクが楽しめます。
小麦粉と卵黄、砂糖で作る「花ぼうる」は、一般的なクッキーとは異なる歯応え。“サクッ”の中に、しっとり、ホロリとした食感があり、卵のやさしい風味が魅力です。生地は型で抜いているのではなくひとつひとつ手作業でカッティングしているため、1日に作ることができるのは80個まで。
コーヒーは、八重瀬町にある自家焙煎珈琲店「AGURO ROAST COFFEE」に「ブラックでもミルクを入れてもおいしいコーヒーを」とリクエストして焙煎をしたオリジナルの深煎りブレンド。コク深くまろやかで、焼き菓子の風味を引き立てます。
高級な保存食で、昔は那覇の料亭などではお茶請けとして出されていた「ウミンス」は、梅干しとピーナッツバター、ごま、柑橘と砂糖で煮詰めた桔餅(チッパン)をすり鉢ですり潰して練ったもの。まろやかな酸味と濃厚な旨みがギュッと凝縮されていて、独特なモチッと食感がクセになります。「瓶詰めにして販売してほしい」とお客様からのリクエストも多いそうですが「手がかかるため量は作れないんです」とスタッフ。
ご飯のお供や酒の肴にもぴったり合いそうですが、さんぴん茶とも好相性。kotiでいただけるのは、さんぴん茶の中でもランクの高い「春毛」で、爽やかな口当たりと芳醇な香りで優雅な気分に浸させてくれます。
ランチ後のお茶やおやつ時間に訪れてみてくださいね。
沖縄の良いモノもずらり
提供する際に使用する勝窯(かつがま)の器やカップ、ガラス工房 晴天(せいてん)のグラスはお店で購入することも可能です。
店頭では、その他にもkotiオリジナルのお菓子や民具、さんぐゎー箸置き、旧暦カレンダーなども販売。
贈り物に相応しいギフトセットの用意もあります。
「琉球菓子を暮らしの一部に取り入れてほしい」とスタッフは話し、旧暦の8月15日(十五夜)に食す「ふちゃぎ」や「花ぼうる」など、沖縄の年中行事に沿ったお菓子のワークショップは毎回好評です。今後もワークショップは続くので、沖縄旅行中に参加してみるのも良さそうですね。
沖縄でしかできない体験を、ぜひkotiで。
撮影/沖縄CLIPフォトライター水野 暁子
取材・文/沖縄CLIPフォトライター 舘 幸子
取材・文/沖縄CLIPフォトライター 舘 幸子
koti
- 住所 /
- 沖縄県八重瀬町東風平352-1
- 営業日 /
- 木曜・金曜・土曜
- 営業時間 /
- 11:00〜17:00(L.O.16:30)
- instagram /
- https://www.instagram.com/koti_okinawa/
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