石垣島のスローで真面目な藍染め工房、島藍農園

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初回投稿日:2014.03.21
 最終更新日:2024.05.27

石垣島のスローで真面目な藍染め工房、島藍農園

石垣島にある島藍農園は、島に古くから伝わる藍染めを都会の暮らしにも馴染むようリデザインしたシンプルで個性的なバッグや雑貨をつくっています。

 

深くて表情豊かだけれど、暗くなく主張しすぎない。帆布の素朴でさわやかな風合いに馴染む島藍農園の青は、石垣島に伝わる藍の古来種「ナンバンコマツナギ」から抽出した染料で繰り返し手染めされた本物の藍色です。

染める回数の違いで出した藍の濃淡と対をなす鮮やかな黄色は、フクギという植物で染められたもの。これに白を足した4色のストライプは、「普段づかいできるものを」とオーナーの大濵豪さん 由貴さん夫妻が考案したオリジナルデザインです。

 

「農園」の名前のとおり、中心市街地のユーグレナモールにあるアンテナショップから車で10分ほどのところに、藍を自家栽培する畑と工房兼ショップがあります。

沖縄本島で栽培されている「琉球藍」とも異なり、石垣島が生育の北限というナンバンコマツナギが、強烈な日差しと潮風にも負けずに、育っています。

 

収穫した藍から色素を取り出し、発酵させて染料に仕立てることを、「藍を建てる」というのだそうです。なんとも素敵な言い回しですが、とても手間のかかる作業です。

特に、島藍農園では「化学薬品を使えば染料が長持ちするし、染まりやすくてラクだけれど、廃液を畑に戻せなくなるから」と、木灰や小麦粉、米ぬかなどの自然に還る素材だけを使って藍の発酵を促しているため、1日1回は藍をかきまぜなければなりません。

 

10年ほど前、大濵さんがナンバンコマツナギを使った藍建てを始めたとき、もうその方法を覚えている人はいませんでした。そこから大濱さんが試行錯誤をして編み出した藍建ての技術なのです。
 

ぬか床のように、手塩にかけてお世話をしないと腐ってしまうという藍。

「気温や湿度で藍のご機嫌がかわると、染まり方も違う」と話すのは、藍染め職人を志して石垣島に移住した髙橋正茂さん。濃いほうの青は、30回近く染めないと辿り着けない色で、1日に布地2枚分しか染め上がらないのだそう。

だから、染めては乾かす作業を幾度となく繰り返している髙橋さんの手は、染まった布と同じ藍色なのです。


 

島藍農園のバックと雑貨は、手間を惜しまず、畑づくりから藍立て、染めと縫製までを手作業で行う究極のスロープロダクト。


藍染

 

つくり手の大濵さんや髙橋さんは、「無機質な都会の風景の中で人の目に映えるような、島の自然の色彩美を表現したい」と今日も藍と向き合っています。せっかく石垣島を旅するなら、石垣島の自然の恵みを、島の人の手でかたちにしている本物のものづくりに触れてみてはいかがでしょうか。

 

島藍農園

住所 /
沖縄県石垣市大川205
TEL /
0980-87-5580
Webサイト /
https://shimaai.com/

沖縄CLIP編集部

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