晴れた日のやんばるデイトリップに、優しい味のお菓子はいかが?【おやつ屋ポウタ】

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初回投稿日:2022.01.13
 最終更新日:2024.05.21

晴れた日のやんばるデイトリップに、優しい味のお菓子はいかが?【おやつ屋ポウタ】

おやつ屋ポウタ

焼き菓子

沖縄の伝統的な古民家の軒先にこじんまりと並べられた焼き菓子たち。「ウィークエンド」という心が弾みそうな名前がついたレモンケーキ(200円)は国産レモンが手に入る時期だけの限定メニュー。ほんのり甘酸っぱい生地にはレモン果汁とレモンの皮のすりおろしが入っていて、さらにレモン味のアイシングが。

焼き菓子

菓子

「バニラパウンドケーキ」(140円)は小麦粉、バター、きび糖、生クリーム、アーモンドパウダー、卵、バニラビーンズで作った定番ケーキ。隣に並ぶのは「クラシックショコラ」、「チョコチップクッキー」、「シナモンクランブルケーキ」。ハロウィーンの季節には子ども味の「かぼちゃとチョコのマフィン」や大人味の「かぼちゃとラムレーズンのマフィン」が並んだりもするし、クリスマスにはクリスマスらしい限定のお菓子が登場する。

よく見ると「今日のデザート」という小さな看板が。聞けば生菓子のことらしい。今日のメニューは「ミルクプリンとコーヒーゼリー」や「ショコラチーズムース」、そして定番の「シュークリーム」。こちらもなかなか魅力的。

我謝和子(がじゃ・わこ)

「自分で食べて好きなのも、やっぱり焼き菓子なんですよ、それもシンプルな…。クリームばっちりのこってり系は苦手なんです、もたれるからかもしれないですけど」。もともとクールなのか、照れているのか判断がつかない、ひょうひょうした笑顔を浮かべながら質問に答えてくれたのは、我謝和子(がじゃ・わこ)さん。沖縄本島北部の大宜味村(おおぎみそん)にある宮城(みやぎ)という小さな集落で、今年の秋に焼き菓子屋さんを開業した弱冠22歳の若きパティシエだ。

焼き菓子

お菓子作りの初体験は小学2年生くらいの頃なのだそう。「チョコレートを溶かして固めなおしただけのものでしたけど、それでも『おいしい!』と友だちが喜んでくれたのがすごく嬉しかったんです」と昔を振り返って目を細める。

高校まで地元の大宜味村で過ごした彼女は、卒業後に那覇市の専門学校に進学。「自分の店を持つのは大変そうだから」と、しばらくは“都会”のお店でお菓子作りをしていたが、「自分が食べたいと思うお菓子を、きちんとていねいに作りたい」という思いがどんどん強く大きくなって独立を決意。

パウンドケーキ

できれば生まれ育ったふるさとでお店を開きたいと考えていたら、小さいころから可愛がってもらっていたおばあちゃんの家を貸してもいいよという話になり、二つ返事で借りることに決めたという。それからはせっせと商品試作の毎日が続いた。

一番難しかったのは看板商品のマフィンとパウンドケーキ。「私の味はこれです!」と自信を持って出せるように半年ほどレシピをいじったり、作り方や手順を変えたりと試行錯誤を繰り返した。お母さんや地元の同級生、友だちに支えられて、これだというところまでたどり着き、保健所の検査もパスして10月5日に無事開店。

マフィン

開店してからは友だちや親戚はもちろん、今までお世話になった保育所や学校の先生、役場の職員のみなさんがお祝いを兼ねて訪ねてきてくれたという。集落内にあるお店だし、誰もが毎日気軽に買える価格にしたい。それでもちゃんとした材料でシンプルに、けれどもていねいに。そのようにして毎日作っている彼女の姿勢が共感を広げ、すこしずつお客さんが増えてきているようだ。

おやつ屋ポウタ

「将来の夢は?」と尋ねると、「長く続けることですかねー」と、自然体というか、背伸びをしていないというか、やんばるらしい答が返ってきた。「めっちゃ売れてほしい!ということはなくて、細々とでもいいので平凡に続けたいんです」と和子さんは言葉を続けた。

地域への貢献や地域おこしという言葉は多分彼女の中にはないのだろう。それでもやはり近所に住んでいる人に来てもらいたいという気持ちはしっかりと彼女の中にありそうだ。

「たぶん年配の人はこんな焼き菓子は食べたことがないと思うんです。そういうおばあちゃんやおじいちゃんに『おいしいね』と言ってもらえたら嬉しいです」。インタビューの最後の方で彼女が漏らしたその言葉からもそのことがうかがえる。

大宜味村

「ポウタ」はフィンランド語で“晴れた日”のことらしい。「かわいいから」とお気に入りだというフィンランド語を、オープン前にいろいろ調べているうちに、しっくりくる言葉を見つけたのだそうだ。晴れた日にポウタの焼菓子を持って野山や海へ。やんばるの自然や人がますます優しく豊かで大切に思えるはずだ。
 

おやつ屋ポウタ

住所 /
沖縄県大宜味村宮城24
サイト /
https://www.instagram.com/oyatsu_pouta/

沖縄CLIP編集部

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