『東西ヤマトゥガー』&『筆ん崎』… 悠久の時が織りなす粟国島の厳かな景観

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初回投稿日:2017.05.27
 最終更新日:2024.07.25

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泊(とまり)港の北西61.2kmに浮かぶ孤島・粟国島(あぐにじま)は、数百万年前の火山堆積物によって生まれました。その気の遠くなるような歳月を強烈に感じさせてくれるのが、島の南西部。『東ヤマトゥガー』に『西ヤマトゥガー(ヤヒジャ海岸)』、そして『筆ん崎(ふでんざき)』等のダイナミックかつ重厚な地形は、他では決して見られないオンリーワンの景観を形成しています。
 
粟国島(あぐにじま)の西ヤマトゥガーは、別名、ヤヒジャ海岸
 
巨大な岩を真っ二つに切り裂いたような東ヤマトゥガーは、島で最も神聖な場所の一つです。ヒト1人がやっと通れる程度の岩と岩の間を抜けると、パっと海岸が開けます。暗&狭→明&広のコントラストがたまりません。
 
東ヤマトゥガー
 
東ヤマトゥガー
 
また、岩の西側には天然の泉があり、かつて水源の乏しかった島の数少ない水源として重宝されていました。戦後、貯水タンクが作られ、その水を集落に届けた簡易水道施設跡が残っています。ちなみに、「ガー」とは沖縄の言葉で井戸や泉といった意味で、その名称の由来となっています。
 
東ヤマトゥガー
 
東ヤマトゥガーから西に300m程の場所に位置する西ヤマトゥガーは、別名、ヤヒジャ海岸。村の景勝地に指定されています。上部道路には展望台が設けられ、海岸線一帯を見渡せます。そこから階段を降り、アクセス。
 
西ヤマトゥガーは、別名、ヤヒジャ海岸
 
何と言っても目をみはるのは、自然のものとは思えないカラフルな地層! 黒い部分は玄武岩質の溶岩、白や灰色は火山灰が堆積した凝灰岩。そして溶岩熱の酸化により赤く変色した凝灰岩など、生成や構成も複雑です。
 
西ヤマトゥガーは、別名、ヤヒジャ海岸
 
西ヤマトゥガーは、別名、ヤヒジャ海岸
 
沖縄で唯一、大規模な凝灰岩地層が広がる崖にも注目です。玄武岩、凝灰岩、花崗岩、安山岩等…。素人には正直どれが何か全くわからない程、バリエーション豊富です。
 
島の最西端。崖の上部広場は、“最も端”という意味で『マハナ』
 
西ヤマトゥガーから更に西に進むこと数百m。海抜87mを誇る筆ん崎は、島の最西端。崖の上部広場は、“最も端”という意味で『マハナ』と呼ばれ、展望台として整備されています。こちらも村指定の景勝地です。
 
島の最西端。崖の上部広場は、“最も端”という意味で『マハナ』
 
垂直に削りとられたような“白い”断崖絶壁は、沖縄とは思えない、異様とも言える世界観…。数万年前まで霧島火山帯に属する火山の島であったことを、静かにそして如実に物語っています。こうした形で醸成された海食崖は、全国的にも他に例の無い貴重な存在で、現在少しずつ崩れ続けていると言われています。
 
筆ん崎
 
筆ん崎は、横からでもその壮大なフォルムを確認できますが、正面から見ると桁違いの迫力…。但し、筆ん崎“正面”へのアクセスは決して簡単ではありません。干潮時、ひたすら岩だらけの海岸線を西に歩き続けます。天候や海況のコンディションが良かったとしても、大人の足で片道20〜30分はかかります。危険も伴いますので、決して1人では訪れないようご注意下さい(できれば島の人の同行を)。
 
筆ん崎の正面
 
筆ん崎
 
ちなみに、筆ん崎の沖は、4〜7月にかけてギンガメアジによる巨大きな群れ、通称「ギンガメアジトルネード」を目撃できるダイビングポイントとしても有名です。
 
海岸
 
両ヤマトゥガーに筆ん崎。悠久の時が織りなした大自然の圧倒的造形と厳かな景観…。それは、訪れた人の心に何かしらを深いものを語りかけてくる、そんな場所でした。
 
海岸
 

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粟国村観光協会

住所 /
沖縄県島尻郡粟国村東1142
電話 /
098-896-5151(粟国村観光協会)
サイト /
http://aguni-kankou.jp/wordpress/tourism_association/

沖縄CLIP編集部

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